産婦人科医 ドクターまんまのクリニック探訪

こんにちは。まんまでございます。

 

妊活と言えば…

「タイミング法」、「人工授精」そして「体外受精胚移植」が3本柱かと思います。

 

「タイミング法」は文字通り、排卵のタイミングに合わせて夫婦生活をとって頂く方法です。

腟に射精された精子は子宮頸管、子宮腔内、卵管を遡上し、最終的に受精の場である卵管膨大部に到達します。この卵管膨大部で数日精子は生きている訳ですが、卵子の寿命は半日から1日と短いため、排卵のタイミングに夫婦生活を合わせるということになります。

 

次に、この過程の最初の部分を by pass し、精子を子宮内へ送り込み卵管まで到達しやすくするのが「 人工授精(AIH ; artificial insemination with husband’s semen)」です。

施設によっては、IUI (intrauterine insemination;子宮内精子注入法) と呼ばれたりしています。

 

f:id:doctor-mamma:20201126230854j:plain

人工授精

性交時、腟内に射出された精子は上記遡上の過程で徐々に数が少なくなり、卵管膨大部に到達する精子数は数十個程度と考えられています。

このような背景の中、「人工授精」は、少ない精子数でも受精を可能とする方法です。

すなわち、人工授精は精液所見の不良が疑われる場合、 「タイミング法」を行うのが難しい場合や「タイミング法」を何周期か行ったが妊娠に至らなかった場合に検討します。

なお、「人工」とは言うものの、子宮内に精子を注入する操作以外の、「子宮腔内から卵管膨大部 までの精子の移動」、「受精」そして「受精卵の発育や着床」は自然現象ということになり、ネーミング から違和感を覚えられる方もいらっしゃるかも知れません。

 

ちなみに、極めて大まかな数字ではありますが、治療1周期あたりの妊娠率は「タイミング法」で3~6%、「人工授精」で10%前後という印象です。

 

「人工授精」で妊娠に至らない場合は、いわゆる「体外受精胚移植」にステップアップするか否か検討する事になります。

 

当院では「タイミング法」までの対応になりますが、本邦を代表する生殖医療専門施設である浅田レディースクリニック(名古屋市)では副院長を拝命し、多くの患者様を担当させていただきました。

名古屋での経験を活かし、患者様ご家族様に赤ちゃんという幸せを送り届けられるよう、全力を尽くす所存です。

 

どんな些細なことでも、遠慮なくご質問いただければと存じます。

 

何卒よろしくお願い申し上げます。