産婦人科医 ドクターまんまの北海道の歩き方

まんまでございます。

 

積丹ブルー」(シャコタンブルーとも)という言葉をご存知でしょうか?

 

これは、小樽市の西方約50kmに位置する積丹半島沿岸部の海の青さを指した言葉ですが、そのどこまでも透明で澄み渡る瑠璃色に少し碧がかったような色調は、いつみても本当に美しいと思います。

 

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積丹ブルー

積丹半島景勝地として名高い神威岬積丹岬には遊歩道も整備されていて、積丹ブルーを間近に感じることができます。

突き抜けるような青い空、どこまでも透明な積丹の海、そして、髪にそよぐ汐風に身を任せながら小径を歩いていると、言葉では言い尽くせない感動を覚えます。

 

札幌視点で申し訳ないですが、ドライブには適度な距離と札幌から見て西方にあるというロケーションから、天気の良い日の午後には、ちょっと積丹まで夕焼けを見に愛機を連れ出してみようかなあと思うこともしばしばです。

 

そんな積丹半島から臨む日本海の夕陽もまた格別です。

 

橙色の陽光に照らされた岩礁にも積丹の魅力が詰まっている気がいたします。

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積丹半島の夕焼け

そうして太陽が水平線に溶け込むころ、積丹の海には灯台の火影が浮かびあがり、昼間とは違った趣きを見せてくれます。

 

静かで優しい北海道の夜の始まりです…。

産婦人科医 ドクターまんまのクリニック探訪

 

こんにちは。まんまでございます。

 

今回はホルモンの一種、「プロラクチン」について説明させていただければと存じます。

 

 「プロラクチン(prolactin;以下PRL)」は、主に脳下垂体(下図参照)のプロラクチン分泌細胞という所で産生されますが、子宮筋層、子宮内膜及び妊娠中の卵膜からも作られます。その作用といたしましては乳汁分泌作用が中心ではありますが、他に乳腺の発達、黄体機能調節、精子形成、性行動への関与、免疫機能の調節など多彩な生理作用が知られています。

 

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脳下垂体

 

血中PRL濃度が基準値(検査試薬にもよりますが、だいたい6~30ng/ml)を超えた状態が高PRL血症ですが、産婦人科外来診療では高PRL血症に伴う排卵障害や黄体機能不全等の卵巣機能不全が問題となります。

 

高PRL血症の原因は様々ですが、特に重要なものとして下垂体腫瘍、甲状腺機能低下症及び薬剤性があります。他には特発性と言って原因が不明ということもあります(実際はこの『原因不明』ということが最も多い印象です)。 

また、PRLは生理的変化をきたしやすく、運動、睡眠、ストレス及び食事によって上昇することが知られています。

さらに、月経周期においては排卵期と黄体期中期で高値を示します。 

従いまして、当院ではPRLを測定する際、卵胞期初期(生理の2から5日目)に採血させて頂いております。

 

検査結果が100ng/ml以上の場合は下垂体腫瘍が疑われますので、すみやかに脳神経外科による精査を依頼致します。

甲状腺機能低下症及び薬剤性が疑われた際は原疾患の治療により高PRL血症の改善を図ります。

特に明らかな原因が認められない際は、ドパミン作動薬を投与することで高PRL血症の改善を図ります。

 

ドパミン作動薬投与により速やかに血中PRL値は低下し、およそ90%が3か月以内に排卵を認めると報告されています。そうしてカベルゴリン投薬により卵巣機能の改善を図り、早期の妊娠を目指すことになろうかと存じます。

なお、ドパミン作動薬の妊娠期間中及び長期内服におきましては安全性が比較的確立しており、妊娠中も安全に服用できますが、原因不明の高PRL血症の場合は服用する意義が乏しいので、ご妊娠が判明したら服用を中止するのが原則です(妊娠反応陽性時か、胎嚢確認後かといった止め時のタイミングは施設によってさまざまというのが実情でございます)。

  

産婦人科医 ドクターまんまの北海道の歩き方

新年あけましておめでとうございます。

まんまでございます。

 

以前、倶知安町に住んでいたことがあるのですが、時に近所の河川敷を

散歩しながら気分転換をするのが好きでした。

 

そうは言っても、「馬上、枕上、厠上」ではないですが、ふと歩きながらいろいろと

考えてしまいます。

 

当時、一つの目標を立てていたので、倶知安町を守るように横たわる羊蹄山

仰ぎ見ては、

「目標(ピーク)まであとどれぐらいかなあ。」

「もうあのあたり(五合目)には来てるかなあ。」

「まだまだだろうなあ…。」

などと自問自答していたような気がします。

 

羊蹄山には一度だけ登ったことがあったのですが、山は登るのも見るのも大好きです。

 

冴えた冬陽に輝く、凛とした佇まいの冬の羊蹄。

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冬の羊蹄山

新緑を纏い、力漲る夏の羊蹄。

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夏の羊蹄山

2021年は、また新たな目標を立てました。

ひさしぶりに倶知安町へ行ってみようと思う、そんな新年のはじまりでした。

 

産婦人科医 ドクターまんまの北海道の歩き方

こんにちは。まんまでございます。

 

「ジェットコースターの路」と聞けば

上富良野町町道を思い浮かべる方も多いと存じます。

 

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ジェットコースターの路@上富良野町(2004年)

 

しかし、北海道内には上富良野町に留まらず、適度なアップダウンによる気分爽快な走りと、そのピークから臨む一望千里の風景にこころがとけ込んでしまう、そんな「The・北海道」を体感できる場所が多々あります。

 

旭川空港近くの農道、斜里町オホーツク街道、そして札幌近郊でしたら羊蹄山麓にもそのような場所があったかと記憶しています。

 

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ジェットコースターの路@羊蹄山

 

最近は若者の「クルマ離れ」が叫ばれていますが、今も昔もわたくしはドライブが大好きです。

その昔、「ビッグラン北海道」という雑誌があったのですが、来道して間もない北海道初心者のわたくしは、こちらに紹介されていた道路案内を参考に、知人のクルマやレンタカーを借りては道内日帰りドライブに勤しんでいました。

 

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ビッグラン北海道1991年版

上記1991年版の表紙は「ナイタイ高原牧場」でしょうか?

この画像をネットで見つけた時、日本一の広さを誇る「ナイタイ高原牧場」と、やはり日本一と謳われた「ナイタイ高原牧場特製ソフトクリーム」、そして牧場近郊にある「鹿追スーパーストレート」なる道を目指した思い出が鮮やかによみがえってきました…。

 

そんな、眼光紙背に徹するが如く読み漁った、まさにバイブルとも言える雑誌がもはや絶版とのこと、残念でなりません。

「社会人になり、マイカーを購入したらこのビッグラン北海道で紹介しているコースを全部制覇するんだ!」と意気込んでいた大学生時代を思い出し、今現在、どれぐらいの道を走ることが出来ているのかなあと思います。

 

余談ながら、1993年版のビッグラン北海道で札幌の街並みと共に紹介されていたクルマが人生初の愛機となりました。

今更ながら、よほどこの雑誌が好きだったんだなあと…。

 

あれから30年近く経ちました。

そんな時間の経過も驚きですが、クルマとドライブへの情熱が今も10代の頃と少しも変わっていない、そんな自分にも驚きです。

 

これからも少しずつ、わたくしのお薦めコースを紹介していければと思います。

産婦人科医 ドクターまんまのクリニック探訪

こんにちは。まんまでございます。

 

妊活と言えば…

「タイミング法」、「人工授精」そして「体外受精胚移植」が3本柱かと思います。

 

「タイミング法」は文字通り、排卵のタイミングに合わせて夫婦生活をとって頂く方法です。

腟に射精された精子は子宮頸管、子宮腔内、卵管を遡上し、最終的に受精の場である卵管膨大部に到達します。この卵管膨大部で数日精子は生きている訳ですが、卵子の寿命は半日から1日と短いため、排卵のタイミングに夫婦生活を合わせるということになります。

 

次に、この過程の最初の部分を by pass し、精子を子宮内へ送り込み卵管まで到達しやすくするのが「 人工授精(AIH ; artificial insemination with husband’s semen)」です。

施設によっては、IUI (intrauterine insemination;子宮内精子注入法) と呼ばれたりしています。

 

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人工授精

性交時、腟内に射出された精子は上記遡上の過程で徐々に数が少なくなり、卵管膨大部に到達する精子数は数十個程度と考えられています。

このような背景の中、「人工授精」は、少ない精子数でも受精を可能とする方法です。

すなわち、人工授精は精液所見の不良が疑われる場合、 「タイミング法」を行うのが難しい場合や「タイミング法」を何周期か行ったが妊娠に至らなかった場合に検討します。

なお、「人工」とは言うものの、子宮内に精子を注入する操作以外の、「子宮腔内から卵管膨大部 までの精子の移動」、「受精」そして「受精卵の発育や着床」は自然現象ということになり、ネーミング から違和感を覚えられる方もいらっしゃるかも知れません。

 

ちなみに、極めて大まかな数字ではありますが、治療1周期あたりの妊娠率は「タイミング法」で3~6%、「人工授精」で10%前後という印象です。

 

「人工授精」で妊娠に至らない場合は、いわゆる「体外受精胚移植」にステップアップするか否か検討する事になります。

 

当院では「タイミング法」までの対応になりますが、本邦を代表する生殖医療専門施設である浅田レディースクリニック(名古屋市)では副院長を拝命し、多くの患者様を担当させていただきました。

名古屋での経験を活かし、患者様ご家族様に赤ちゃんという幸せを送り届けられるよう、全力を尽くす所存です。

 

どんな些細なことでも、遠慮なくご質問いただければと存じます。

 

何卒よろしくお願い申し上げます。

産婦人科医 ドクターまんまの北海道の歩き方

こんにちは。まんまでございます。

 

先日、「タウシュベツ川橋梁」についてご紹介させていただきましたが、

本年2020年は、11月現在水没する事無くその姿を見ることが出来ると聞き及び、

急ぎ糠平湖に向かってみました。

 

逸る気持ちを抑え安全運転で現地に到着、さっそく糠平湖畔を愛機で走っていると、

タウシュベツ川橋梁のたもとまで続いている林道の入り口がなぜか解放されているではありませんか!

「すわ、橋梁も崩落まで秒読みだからか、11月でもまだ水没していないという近年まれにみる特殊な状況だからか、行政サイドの粋な計らいでサービスフリーパス状態??」と思いつつ、そんなウマい話があるハズもなく、途中で誰かにどやされても面倒だなあと、こちらのアプローチは断念、素直に展望台から眺めることにいたしました…。

 

そしてファインダーに収めたのが下記でございます。

 

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2020年11月のタウシュベツ川橋梁

冴えた陽光に照らされたタウシュベツ川橋梁の白いアーチが晩秋の糠平湖にくっきりと浮かび上がり、まるで自然のスポットライトを浴びたようなそれでいて澹然とした佇まいには、もしかしたらこの姿は最後かも知れないという淋しさも相まって、胸が熱くなる気がいたしました。

 

音更川をひと跨ぎし、そのアーチの大きさと美しさで有名な第三音更川橋梁は補修工事が進んでいるようですが、タウシュベツ川橋梁にはそのような予定はないようです。

 

 

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補修工事中の第三音更川橋梁

 

タウシュベツ川橋梁…みなさまの記憶にとどめてもらいたい、そんな北海道の風景の一つです。

産婦人科医 ドクターまんまの北海道の歩き方

こんにちは。まんまでございます。

 

東大雪アーチ橋群というのをご存知でしょうか?

 

これは、上士幌町から三国峠に通じる国道273号線沿い、とりわけ糠平湖周辺に点在する旧国鉄士幌線の線路跡に残る橋梁群のことで、十数もの橋が今もひっそりとたたずんでいます。

国道に車を止め、線路跡とおぼしき原生林の合間を少し歩いてみると…古代遺跡を思わせるアーチ橋を目にすることができます。

 

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第五音更川橋梁

鉄橋ではなくコンクリート製のアーチ橋ということからでしょうか、周囲の自然とうまく溶け込んでいるその姿には、「かつてここは線路だった…」という郷愁感も重なって、言葉を失うような感動を覚えます。

とりわけ、「タウシュベツ川橋梁」は十一連のアーチが美しいだけでなく、糠平湖にかかる糠平ダムの水が少ない1月頃から湖面に姿を現し、水位が上昇する6月ごろから湖底に沈み始め、そして10月ごろには完全に水没するという神秘性から、「幻の橋」と言われています。

そんなタウシュベツ川橋梁に一度だけ訪れたことがあります。

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2005年9月のタウシュベツ川橋梁

訪問したのは2005年9月でしたが、水没のため一つのアーチさえ見ることが出来ませんでした。

これを書いているのは2020年10月1日ですが、Webで2020年9月28日の姿を見つけました。

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2020年9月のタウシュベツ川橋梁

こちら、わたくしが撮影した2005年当時の写真とほぼ同じ場所から撮影していると思われます。

年によって、その姿の移ろいが異なるというのも素敵ですね。

 

さて、2005年当時は写真の如く、橋のすぐ近くまで簡単に行くことができました。

今は、タウシュベツ川橋梁に続く道もゲートで閉ざされ、その姿は展望台と呼ばれるかなり離れた場所から眺めるのが原則のようです。

しかもこのタウシュベツ川橋梁は劣化が進み、いつその美しい形が失われてもおかしくない状況だそうです。

文字通り「幻の橋」となりつつあるタウシュベツ川橋梁…。

 

少しでも多くの方に、その姿を目に焼き付けていただきたいです。